2-(4-ヒドロキシフェニル)エタノールの構造

2019/08/08
 
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かぼちゃ
かぼちゃ。特許翻訳者を目指すパート主婦。 東海地方在住、39歳。 家族構成:夫、子ども(9歳)、子ども(1歳)。 レバレッジ特許翻訳講座第7期生。自己流の勉強方法を経て特許翻訳に参入するも痛い目を見て撤退。その後化学・物理を基礎からやり直し、今度こそプロとして通用するレベルで参入すべく準備中。

トライアルシリーズのC、医薬用化合物に関する特許についての課題で、次のような文章がありました。

2-(4-hydroxyphenil)ethanolが、
2-(4-hydroxyphenil)ethyl chloride or bromideに転化する。

2-(4-hydroxyphenil)ethyl chlorideまたは2-(4-hydroxyphenil)ethyl bromideの訳語について、ちょっと迷いました。

(以下、bromideの場合で説明します。)

選択肢は2つ。

① 2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルブロマイド
② 2-(4-ヒドロキシフェニル)臭化エチル

ビデオ中で「構造から考えて②はあり得ない」と言われておりましたが、

名前と構造が自分の中で結びつかない・・・。

芳香族化合物の命名について曖昧なままだったので、いい機会なので復習しました。

まずは2-(4-ヒドロキシフェニル)エタノールから。

①主骨格を決めます。今回は○○エタノールという名前なので、黄色で色づけした部分が主骨格です。

②ヒドロキシ基(-OH)がついている炭素から、1,2と番号を振ります。

こういう描き方を「ケクレ構造式」と呼び、折れ線の頂点と末端には炭素が存在しています。D.R.クライン著「困ったときの有機化学」にものすごく分かりやすい説明があるので、おすすめです。
今回は、2-(○○)エタノールなので、2の炭素に○○がくっついていることを意味します。

③○○部分を見ていきます。
緑で色づけした部分がヒドロキシフェニル。主骨格のエタノールにくっついている炭素を1として、1、2、3と番号を付け、4番目の炭素にヒドロキシ基(-OH)がついているので、4-ヒドロキシフェニルとなります。

ということで、
「2-(4-ヒドロキシフェニル)エタノール」の名前と構造式が結びつきました。

ところで、エタノールとは「エチルアルコール」のことです。
以降の話をわかりやすくするため、ここからは2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルアルコールと呼んでみます。

今回の反応は次の図のとおり。

アルコールであることを意味する-OHだけが-Brに変わります。

ということは、2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルアルコールは、
「2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル」と「アルコール」という2つのまとまりから構成されていると見ることができます。

その「アルコール」が「ブロマイド」に変わるため、

2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル+アルコール
          
2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル+ブロマイド
・・・となるわけです。

よって、2-(4-ヒドロキシフェニル)臭化エチルではなく、2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルブロマイドが正解。

構造式を見れば正しい訳語を導き出すことが出来ますね。

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